海釣りをしていると本命以外の魚のエサ取りは非常に厄介なものです。ここでは、クロダイの雑食性を利用したエサ取りがあまり食べないスイカを使った釣り方であるスイカ釣りを紹介しています。
夏場から秋にかけてはフグや小魚の餌取りが多く、オキアミが大好きなクロダイと同様に餌取り達もオキアミに群がって来ます。したがって、コマセはおろかサシエのオキミもクロダイのいるタナまで届かないうちに食われてしまいます。ほとんど秒殺状態ですね。
そのような状況下では、特に日中は釣果を期待する方が無理で、家で冷たいスイカでも食べていた方がいいかも。(笑)しかし、分かってはいてもやっぱり釣りをしたいのが我ら釣りキチの性(?)ですね。
そこで登場するのが、このスイカ釣りです。クロダイは雑食性で何でも食べますが、実はこのスイカも大好物なのです。
それに対して餌取り達は基本的にはスイカを食べません(稀に食べる場合もありますが)ので、クロダイだけにアピール出来る餌なのです。
クロダイがスイカを食べることを発見した人は、ほんと、エライですね。何でも一説に寄ると、『売れ残ったスイカを海に捨てたところクロダイがバシャバシャと集まって来た。』のが始まりとのこと。以外に歴史が古く実績もある釣法なんです。
また、スイカ釣りはオキアミを使ったウキフカセ釣りと仕掛けや釣り方は同じで、特に変わったところがないのも魅力です。タックルや仕掛けを変えずに餌だけオキアミからスイカに替えれば出来てしまうんだから、やらない手はないですね。
用意するものは、スイカ大1個と白砂糖500g(普通サイズの1/2袋分)だけです。これで、約半日分となります。
コマセ用には、真ん中の赤い身の部分を使用します。皮や白い部分は浮きやすいので使いません。赤い身は2cm程度のサイの目状にしてバッカンに入れます。
この時、バッカンの内側にビニール袋をセットしてスイカをその中に入れると、バッカンがべた付かず後処理が楽になりますよ。
白砂糖を入れてスイカとよく混ぜ、1〜2時間置いたら出来上がりです。甘くするとクロダイの食いが良くなるかどうか?はわかりませんが、比重を付けるために砂糖を使います。
但し、砂糖を加え過ぎると重くなり過ぎて海中で早く沈んでしまいます。クロダイは、不自然に沈むものには興味を示してくれませんので、くれぐれも入れ過ぎないように注意して下さい。
尚、クロダイの反応がない時には配合餌を少し混ぜる場合もあります。その時、餌取りを必要以上に寄せないために入れ過ぎないよう、様子を見ながら少しづつ加えるようにします。
ハリ外れしにくくするために、皮側の白い部分を少し残した赤身を2cm□程度にカットします。それをタッパーに入れて白砂糖を全体に振りかけ、冷蔵庫で一晩寝かせたものを使います。白砂糖を馴染ませることにより身が締まり、よりハリ外れがしにくくなります。
スイカのエキスが出て来ますので、釣るときにコマセの方へ混ぜるといいでしょう。エキスも身のコマセと同様に投入しますので。
スイカ釣りは、普段ウキフカセ釣りで好ポイントと思われる足元から水深があるような場所には向かないようです。むしろ、1〜2mの比較的浅瀬の方が釣果が期待出来ます。
更に、潮の流れも釣果を上げるためには重要です。潮が沖に向かって払い出しており、かつ沖で潮目があれば言う事なしです。まっ、これはウキフカセ全般に言えることでもありますが。。。
特にスイカ釣りは潮の流れが速いところには向いていません。流れが停滞するポイントを見つけることが大事です。スイカのコマセはオキアミコマセよりも軽いため、沖に流されて拡散しがちだからです。
したがって、遠投も場合によっては必要になりますので、自重がある0〜3Bくらいのウキを使用します。また、遠投するとスイカと同じ赤色のウキでは見間違う可能性があるので、赤以外の色にした方がいいでしょう。
スイカ釣りは餌取りに強い分外道も釣れないため、クロダイが釣れないと当然ながら何も釣れません。ある意味退屈な釣りになってしまいがちます。
また、比較的勝負は早く、同じポイントで半日も粘るような釣りではありません。1〜2時間で反応がなければさっさと場所替えした方が釣れる確立がアップします。