座面の板が割れているせいか?座るとギーギー軋む音がし、更にクッションがペチャンコになって座り心地が悪くなったダイニングチェアですが、30年以上使っている割には本体の方はしっかりしていて捨てるにはもったいない・・と言うことで座面部のみリメイクすることにしました。
<イチ押し張り替えセット>
ダイニングチェアの張り替えにはセットを使うと便利です。表生地・ウレタン・チップウレタン・不織布の4点セット、4cm厚と5cm厚があり、1脚分から購入可能です。
この椅子は本体と座面がネジ2本で固定されているシンプルな構造です。写真ではわかりにくいですが、座面のクッションがペチャンコになり座り心地が悪くなってしまいました。
また、布地の柄がちょっと地味ですねぇ〜せっかくだから布地も替えましょう。
本体から外した座面の裏側です。2箇所の穴が固定用のネジ穴です。裏のカバーは見えないところなのでそのまま再利用します。座面の布地や裏のカバーはタッカーバリで固定されています。
まず、比較的先の小さいマイナスドライバーの先を斜めから少し力を入れてタッカーバリの下に潜らせます。次に、ドライバーを左右どちらかに回しタッカーバリを浮かせます。
ニッパ(出来るだけ切れない刃先だとベスト)で浮いたタッカーバリを軽く挟んでテコの原理でハリを板から抜きます。
ニッパを強く握るとハリを切ってしまいますので注意して下さい。もし切ってしまったら再度軽く挟んで抜きます。
裏面カバーのタッカーバリを全部取り除きカバーを外したところです。板のやや黒くなった部分が割れたところです。穴が2箇所増えましたが、これは座面に腰を掛けた時のクッションからの空気逃がし用です。
表の布地も同じ要領でタッカーバリを取り除いて板から外します。写真の黄色い粉状のものはクッションのウレタンが劣化したものです。
ちなみに、今回は全部交換しますが、ウレタン以外問題なければクリーニングして再利用は可能です。
取り出した板で新たに板を加工する際の型取りをします。型を取ったら余分なところが出来るだけ出ないようにノコギリで切り落とします。余分なところが少ないほど次の工程が楽になります。
板はホームセンターで売られているベニヤ板で、厚みは現行品と同じ9mmを使用しました。
カンナを使って余分なところを削り取り形を整えます。
カンナがない場合は、少し大変ですが粗めのサンドペーパーでも代用出来ます。
板の角が立っていると布地を痛め切れやすくなるので、カンナ(サンドペーパー)で表裏の面取り加工をします。特に前面の太ももが当たる部分は、座り心地を考慮して幅広く面取り加工をしておきます。
本体との取り付け部には専用のメネジが埋め込まれており再利用出来ないので、つめ付き(鬼目)ナットを使うことにしました。ホームセンターで入手出来ます。
写真には写っていませんが、最後に空気穴をドリルで2箇所開けて板の加工は終了です。
切り出した座面の板と同じ大きさにクッションとなるウレタンをカットします。今回はトーカイで調達したものを使用しました。厚みは3〜5cm程度がいいと思います。
布地は板の大きさより上下左右6〜7cm大き目にカットします。写真は下から布地・ウレタン・板を重ねた状態です。
タッカーはホームセンターでも入手出来ますが、手動で出来るだけ強力なものを選んで下さい。高さ10mm以上のハリに対応していればOKです。
今回は板厚が9mmなので10mmのハリを使用しています。入手困難な場合はこちらから購入出来ます。
<イギリスの伝統的デザイン>
座面の張り替えを諦めて買い替えるならウィンザーチェアは如何?
アンティークでオシャレなデザイン、何と言っても座面が木製なので古くなっても張り替えは不要で〜す(#^.^#)
布地は特に座面用と言うものはないようで、厚めの比較的丈夫なものを選びました。ニワトリをモチーフにしたカジュアルっぽい柄です。
まずは、座面の一辺(上側とします)中央付近とその両側4cm程度のところ3箇所にタッカーを打ち布を固定します。
次に反対側(下側)も同様に、中央から打って次に左右と3箇所タッカー打ちして固定します。この時、ウレタンを少し凹ませて布を引っ張りながらタッカーを打つのがポイントです。
ウレタンが膨らんだ時に布地が張らなくて緩んでいると見た目が非常に悪くなります。
今度は、シワにならないよう引っ張りながら左右にタッカーを打ち布を固定します。この時もウレタンを少し凹ませながら作業をした方がキレイに出来ます。
もし失敗したらタッカーバリを取り除いてやり直して下さい。
上下左右を止めると写真のようにコーナー部に余分な布が出るのでハサミで切り落とします。
最初から切っておいてもいいのですが、切り過ぎて寸足らずで失敗する可能性もあるので、この段階で切るのが無難です。
各コーナー部は座面にシワが出ないよう引っ張りながら折りたたみ、一つひだを作るごとにタッカーを打って止めて行きます。
右コーナーは左から、左コーナーは右からひだを作って行くのがコツでキレイに仕上がります。
表面にシワが発生していないことを確認しながら進めるといいでしょう。
座面にシワがあればその部分の布を引っ張りタッカーを打ち直します。更に3〜4cm間隔でハリが打たれていないところがあれば打っておきます。
布が緩んで押さえが効いていないタッカーバリがあれば外して置きます。
写真は上が前で下が背もたれの後ろ側になります。従って、絵柄は前から見た時に正常に見えるように貼ります。
シワもなく全体的にキレイに貼れました。(*^^)v
最後に、裏カバーの出来るだけ外側を3〜4cm間隔でタッカー止めすれば座面の張り替えは終了です。
本体にネジ止めして固定すれば出来上がり!!新品同様の座面です。座り心地が断然よくなり板の軋み音もなくなりました。
軋み音が気になるだけなら板のみの交換、座り心地をよくしたいならウレタンのみの交換、布地を替えたいなら布だけの交換・・いろいろ出来ますよ〜
ダイニング用椅子の座面の高さは通常40cm前後ですが、中には45cm程度のものもあります。さて、この違いは??
それは、家でも靴を履くか否かの習慣の違いから来ています。
日本のように家では靴を脱ぐ習慣の国で作られる椅子は、大方40cm前後となります。
一方、欧米のように家でも靴を履く習慣の国で作られる椅子は、ほとんどが45cm程度となります。
従って、椅子を買う時とかダイニングテーブルを買い替える時には要注意です。
ちなみに、テーブル天板の高さは前者が70cm前後、後者は75cm前後となります。